これからタブレット端末でモバイルDTMを始める予定の方へ。あるいは、DTM用に追加でタブレット端末を購入することを検討されている方へ。
タブレットも色々な種類がありすぎて、どんなスペックのものがDTMに最適なのか分かりませんよね。
そこで、モバイルDTMに最適なタブレットのスペックの選び方や、徹底的に無駄を省いて安く買うためのポイントを紹介します。
モバイルDTM用のタブレットに最適なスペックとは?
スマホ・タブレット端末でDTMを行う場合は、それなりのスペックが無いと、アプリが落ちて、せっかく作ったプロジェクトファイルが消えてしまったり、動作が遅くなって作業効率が落ちてしまいます。
それでは、スマホ・タブレット端末を選定する場合のポイントについて紹介します。
モバイルDTMタブレットのOSはどれが良い?
実は、モバイルOS(iOS/iPadOS/Android)によって、出来ることにかなりの差があります。
詳しくは、以下の記事で紹介していますのでチェックしてみてください。
モバイルDTMはタブレット?スマートフォン?
タブレットとスマートフォンのどちらが良いかについてですが、作業効率の面からタブレットをおすすめします。
DAWソフトを操作する上で、小さいスマートフォンの画面だと、MIDIの打ち込みなど、どうしても作業がしづらくなるのは間違いないです。
そのため、スマートフォンを使う場合でも、出来るだけ大きな画面のものを選定することをおすすめします。
満員電車の中でも使いたいならスマホ併用を
とはいえ、電車などの移動時間中も楽曲制作がしたいという方もおられると思います。
その場合は、メインで使う端末と同じDAWアプリをスマートフォンにインストールして、サブ端末として利用するのが良いでしょう。
本格的な作業は出来なくても、前日に作ったプロジェクトファイルの構成をチェックするなど、ちょっとした作業を行うのにスマートフォンを併用すれば、とても効率的です。
CPUの性能はどれくらい必要?
制作中のロスタイムをどれだけ我慢出来るか
CPUの性能によって、1曲のプロジェクトファイル上で立ち上げられるトラック数が変わってきます。
キック、ハット、スネア、ベース、リードシンセ、パッドと音を重ねていけばいくほど、自然とトラック数が増えていきますが、トラック数が増え、CPUの性能の限界を超えてくると以下のような現象が起きます。
・プロジェクトやシンセの立ち上げに時間がかかる。
・トラックの再生中に音がブツブツと切れたり、ノイズが入る。
・突然フリーズして編集中のプロジェクトが飛ぶ。
・バウンス(曲の書き出し)の待ち時間が長くなる。
どれも、めちゃくちゃモチベーションが下がります。
より性能の高いCPUを選定しておけば、これらのうっとおしい現象を最小限に抑えることが出来ます。
CPU選定の目安
お金に余裕がない場合:
⇒AnTuTuベンチマーク(CPU性能)50,000以上
・該当するCPUの例
Apple A10、Exynos7000シリーズ、Snapdragon632、Kirin710 など
お金に余裕がある場合:
⇒AnTuTuベンチマーク(CPU性能)100,000以上
・該当するCPUの例
Apple A12、Exynos9000シリーズ、Snapdragon855、Kirin980 など
なお、ベンチマークテストの点数を調べるには、アプリでCPU性能を計測した結果を公表している、以下のようなサイトで、購入しようとしているタブレットのCPU性能を調べてみてください。
GPUとは?
GPUとは、主に3Dグラフィックスなどの画像描写のために使われるプロセッサです。
「画像」ではなく「音」の処理がメインとなる、DAWソフトに関しては、GPUよりもCPUの性能が重要になります。
そのため、ANTUTUでスコアをチェックするときも、トータルスコアと合わせてCPUのスコアをチェックしておきましょう。
ただし、グラフィッククオリティが高い派手なソフトシンセなど、使用するプラグインによっては、描画処理が必要になるものもありますのでGPUスコアも高いに越したことはありません。
メモリの性能はどれくらい必要?
制作する曲のジャンルによって、おおよそのトラック数が決まってきます。そして、トラック数により必要となるメモリの目安が決まります。
スマホ・タブレットの場合、デスクトップパソコンと異なり、ほとんどがメモリを後から増築出来ないタイプのため、最初からフルスペックで購入しておく必要があります。
・ボーカル無しのインストゥルメントトラック、EDMなどのダンスミュージックの場合
~15トラック
⇒4GB以上は必要。
・ポップスやロックなどのポピュラー音楽などの場合
15~20トラック
⇒この場合は、6GB以上がおすすめ。
ただし、余裕があれば8GB以上を選んでおきたい!
レイテンシーは要チェック
別の記事でレイテンシーは低い方が良いと解説しましたが、モバイル端末に関しては、このレイテンシー性能を確認しておくことが大切です。
しかし、タブレット製品の公式サイトを見ても、レイテンシーの仕様について明記されていないものがほとんどです。
その場合は、iOSとAndroidのレイテンシー計測した結果をまとめてある以下のようなサイトをチェックしましょう。
iOS and Android Audio Latency Test App – Superpowered
ストレージ容量はどれくらい必要?
タブレットのデータ保存場所には、以下の2種類があります。
内部ROM:
⇒OSやDAWなどのアプリを保存しておく、タブレット本体のストレージ。microSD:
⇒データ保存専用のカード型フラッシュメモリ。
おすすめとして、DTM用モバイル端末のデータは以下のように整理しておくと良いです。
内部ROM:100GB程度あれば、しばらくは問題ない。
⇒DAWのプロジェクトファイル + 必要なサンプリング音源のみ
microSD:128GB程度あれば良い(必要により後で追加購入出来る)。
⇒バウンスしたWAVファイル、たまにしか使わない音源など
上記のように、制作に必要なデータを保存するストレージと、容量の大きい音源データを保存するドライブを分けておくことによって、データ量が増えてきた頃に、DAWの動作が遅くなることを防ぐことが出来ます。
おすすめスマホ・タブレット端末
モバイルDTMに最適なスマホ・タブレット端末の選定のポイントや、おすすめの端末については、別記事で紹介していきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
DTMパソコンに最適なスペックを決めるために、以下のポイントを確認しましょう!
・OSを決める。
・CPUを決める。
・メモリを決める。
・レイテンシーを確認する。
・ストレージを決める