皆さんこんにちは、耳コミライターのUKです。
「but I」を「バッドアイ」と発音していませんか。それではネイティブに伝わりませんよ。
ネイティブは会話の中で舌が回りやすいように様々な方法で音を変えて発音しています。つまり、省エネしているんですね。
そのための発音テクニックとしてストップT、フラップTというルールがあります。これらのルールを知ることでネイティブの発音に近づけることができます。
それでは、思いっきり「耳」を使っていきましょう。
ストップTの発音とは
単語の語末が「t」で終わる場合や、「make it simple」など、フレーズの途中で「t」が挟まれている場合には、「t」を発音する手前でいったんブレーキをかけます。
ブレーキをかけるってどういう意味?って感じですよね。
それでは、口語表現の各パターンにおいて、ストップTがどのような発音になるのかを説明します。
◆ストップTが登場するパターン
①単語の語末が「t」で終わる場合
②フレーズの途中に「t」が挟まれている場合
①単語の語末が「t」で終わる場合
「Wait」の発音は本来「ウェイトゥ」で、少し語尾が伸びた感じの発音になります。
しかし、ほとんどのネイティブはそのように発音しません。
「ウェイッ」と素早く発音します。「イッ」のところで音を止めて、「t」の音は発音しません。
このことをストップTといいます。
で、それの何がうれしいのかと言うと、
ストップTを知っていることで、単語の聞き分けが出来るようになるんです。
例えば「ウェイ」と発音されたときに、このルールを知らないと、全く違う意味の単語「Way」と混同してしまいがちです。
① Way 訳:道
② Wait 訳:待て
実際に音声を聞いてみましょう。
連続して2つの単語を再生していますが、どちらが先に発音されているか分かりますでしょうか?
正解は「Wait」、「Way」の順番です。めっちゃ難しいですよね。
この2つの単語を聞き分けるポイントは、
「ウェイッ」と素早く発音されたら(ストップT)、「Wait」で、
「ウェエイ」と伸びる感じだったら、「Way」です。
つまり、「t」の発音が聞こえないので、ストップTだったら「Wait」だと判断するわけです。
感覚がつかめましたでしょうか?
ストップT 他の例
ストップTによって聞き分けられる単語は他にもこんな例があります。
・foot(フッ)
紛らわしい単語 ⇒ food(フウドュ)、who(フウ)
・boot(ブゥッ)
紛らわしい単語 ⇒ boo(ブウ)
・fat(ファッ)
紛らわしい単語 ⇒ far(ファア)
このように、ストップTの発音をもつ単語はメジャーな単語の中にもたくさん存在しており、以前にこちらの記事でも紹介した、「that(ダッ)」も、ストップTの単語と言えます。
最初は難しいですが、慣れてくれば簡単に分かるようになりますので、紹介した単語からどんどん覚えていってください。
②フレーズの途中で「t」が挟まれている場合
フレーズの途中で「t」が挟まれている場合も「ティー」と伸ばした発音をするのではなく、次にくる単語を強調して発音するために、「t」の音を一度止める感じで発音します。
例えば、以下の例文を聞いてください。
Make it simple 訳:シンプルにして
発音は「メイキッスィンポウ」です。
それではこの文章を単語に分解してみましょう。
Make | it | simple |
メイク | イッ | スィンポウ |
そして、このとき「メイク」と「イッ」がリンキングして「メイキッ」になります。
Make | + | it | = | Make it |
メイク | イッ | メイキッ |
というわけで、この例文の発音は「メイキッスィンポウ」となります。
このとき、「メイキッ」のところで、一度リズムが止まりますよね。
このことをストップTといいます。たったそれだけです。
フラップTの発音とは
フラップTは発音を覚える上で、非常に重要です。
単語の語中に「t」が挟まれている場合や、「but I」など、フレーズの途中で「t」が挟まれている場合には「t」が「r」の音に変わります。
このことをフラップTといいます。
舌が口の天井を素早くはじく(フラッピングする)ときに出る音なので、フラップTという名称になっています。
登場するのは、以下の2パターンです。
◆フラップTが登場するパターン
①単語の語中に「t」が挟まれている場合
②フレーズの途中で「t」が挟まれている場合
①単語の語中に「t」が挟まれている場合
ところで皆さん、「Water」の発音は出来ますか?
おそらく、日常英会話に登場する英単語の中でも群を抜いて難しいです。
とりあえず発音を聞いてみましょう。
発音は、「ウォーター」ではなく、「ワゥラァ」と聞こえます。
「t」の音が全く聞こえません。そう、消えているのです。
実は、この「water」のように、単語の語中に「t」が挟まれている場合には「t」が「r」の音に変わるんですね。
このことをフラップTといいます。
「water」を例にすると、
「wa」は「ワ」です。そして「ter」の「t」が「r」の音に変わり、「rer(ゥラァ)」となるので、「warer(ワゥラァ)」のような発音になります。
同じようにフラップTの発音をする単語は他にこんなものがあります。
・「party」
⇒「parry」となるので、「パアティ」ではなく、「パアゥリィ」です。
・「better」
⇒「berrer」となるので、「ベタア」ではなく、「ベゥラァ」です。
・「little」
⇒「lirrle」となるので、「リトル」ではなく、「リゥロォ」です。
②フレーズの途中で「t」が挟まれている場合
こんどはフレーズの例を聞いてみましょう。
「バライ」って感じに聞こえますね。
このように、フレーズの途中で「t」が挟まれている場合にも、「t」が「r」の音に変わります。
基本的には(子音で終わる単語+母音で始まる単語)のパターンなので、リンキングします。
ただ、「バタイ」とはならず、「t」の音を「r」に変えて「バゥラァイ」となるんですね。
もっと簡単に表現すると「バライ」です。
ただし、「r」の発音についてはもう少しネイティブっぽく発音するために、あえて「ゥラァ」とカタカナ表記しています。
ちなみに「r」の発音についてはこちらの記事もチェックしてみてください。
それでは、フラップTの発音をする代表的なフレーズを紹介します。
What I 「ワゥラァイ」 より簡単に表現⇒ 「ワライ」
shut up 「シャゥラァップ」 より簡単に表現⇒ 「シャラップ」
set up 「セゥラァップ」 より簡単に表現⇒ 「セラップ」
get up 「ゲゥラァップ」 より簡単に表現⇒ 「ゲラップ」
get out 「ゲゥラァウ」 より簡単に表現⇒ 「ゲラウ」
まとめ
ストップTの法則
⇒素早く発音して寸止め。「t」の音を発音しない。
①単語の語尾が「t」で終わる場合
②フレーズの途中で「t」が挟まれている場合
フラップTの法則
⇒「t」を「r」の音に変えて発音する。
①単語の語中に「t」が挟まれている場合
②フレーズの途中で「t」が挟まれている場合
「t」の音は破裂音といって、つばを飛ばすように舌を弾いて発音しないといけないため、口にストレスがかかり、結構疲れるんです。
なのでUSネイティブは口語表現の中で、舌が回りやすいようになるだけ「t」の発音を避けます。
だから「t」の音を消したり、違う音に変えて発音するなどして試行錯誤しているんですね。
ストップTやフラップTもその方法のひとつに過ぎません。
とりあえず、「tea(ティー)」などのように、不可避な場合以外は、「t」の音はほとんどそのまま発音されることがないということを覚えておきましょう。
耳コミライターのUKでした、それではまた。